第10回小惑星ライトカーブ研究会 収録

  日 時:2014年5月24日(土)13時〜18時
  場 所:日大理工・駿河台キャンパス

  参加人数:33名


講演プログラム(発表順、敬称略)

招待講演

隕石の可視・近赤外分光サーベイとその固体惑星探査への応用
発表者廣井孝弘(米国ブラウン大学)

一般講演

地球近傍小惑星2011 XA3の高速自転とアジア地域でのNEO観測網へ向けて
発表者浦川 聖太郎(日本スペースガード協会)
発表要旨 地球近傍小惑星2011 XA3に対し、美星スペースガードセンター1m望遠鏡及び50cm望遠鏡を用い、ライトカーブ観測と多色測光観測を実施した。その結果、この小惑星の自転周期が43.8分と高速自転している事が判明した。高速自転している事は、この小惑星が単一岩塊であることを示唆している。また、多色測光からS型あるいはV型のスペクトルタイプであることが分かった。スペクトルタイプから推定される直径は、225 ± 97 m (S型)、166 ± 63 m (V型)であり、これまで発見された高速自転小惑星の中で2番目の直径をもつ可能性がある。また、その見かけ上の軌道はふたご座流星群母天体の(3200)Phaethonに似ており、起源の同一性を調査するため軌道進化計算も実施した。本講演では、これらの結果に加え、現在構想しているアジア地域でのNEO観測網の構築について呼びかけを行う。
収 録PDFファイル(1.2MB)
小惑星 (163249) 2002 GT の多色ライトカーブ観測
発表者 大島 雅英(日本大学大学院 理工学研究科 航空宇宙工学専攻)
発表要旨 NASAの探査機Deep Impact/EPOXIは,潜在的に地球に衝突する可能性が大きい小惑星PHAに分類される小惑星(163249) 2002GTに2020年1月4日にフライバイする予定である.2002GTに関する特性の多くは不明であったが,2013年中頃に2002GTが地球近傍を通過した際に地上観測を行うことができた.地上からのライトカーブ観測により,小惑星の自転周期やその形状や自転軸等の特性に関して強い制約を与えることができる.本発表では,アメリカ・アリゾナ州に位置するテナグラ天文台の81cm望遠鏡を用いて行った,2002GTに関する多色(B-V-R-I)ライトカーブ観測の結果について報告する.結果として2002GTの自転周期は,3.7248 ± 0.1664 (hr)と推定される.
収 録PDFファイル(4.6MB)
内側小惑星帯のV型小惑星のライトカーブサーベイ観測
発表者長谷川 直(宇宙航空研究開発機構)
発表要旨 内側小惑星帯のV型小惑星のライトカーブサーベイ観測発表要旨 : V型小惑星の約20個のライトカーブ観測を行いました。過去の研究と併せて、59個のV型小惑星の角運動量の分布を調査し、その分布がマクスウェル分布と一致していない事が分かりました。マクスウェル分布からずれる原因として、YORP効果の寄与が考えられますが、YORP効果を効果的に起こす為にはGyrレベルの年代が必要です。この事から、内側小惑星帯のV型小惑星の衝突破壊形成年代がGyrであることを示しています。
収 録PDFファイル(2.1MB)
小惑星による恒星食の60年
発表者佐藤 勲
発表要旨   小惑星による恒星の掩蔽の観測によって、これまでに多くの小惑星の形が明らかに なった他、衛星、リングなどが見つかったものもある。これまでの歴史的経緯をレビュ ーする。
収 録PDFファイル(5.2MB)
小惑星の自転軸と小惑星の形状を再現する手法の研究
発表者後藤理咲子、岡村麻美、那須陽彦(福岡県立小倉高等学校科学部)
発表要旨  小惑星の自転軸の傾斜角と方向を、公転軌道上の光度変化の極大値と極小値並びにこれらが観測される時期より確定させる。その上で、観測したライトカーブが得られた状態を実験室で再現して、粘土モデルで様々な形状を作成してライトカーブを一致させていく。
収 録PDFファイル(1.9MB)
デジタル一眼レフカメラによる小惑星の測光観測(その2)
発表者庄崎弘基、中川諒人、真壁聖矢、土屋健太郎、北川達彦(那須高原海城高等学校)
発表要旨 この2年間、RAWファイルから得られるベイヤー画像(モノクロ)を使用し、USNO-A2.0星表により小惑星の測光を行ってきた。しかし、デジタル一眼レフカメラによる変光星の測光についての既往研究によると、RGB分解して得られるG画像がTycho2星表のVt等級とよい相関が認められる(大金要次郎(2009))ので、これまでの観測データを使い再測光し、IAUMPCのライトカーブデータベースと比較した。また、カメラの機種により測光結果が異なるかどうかの予察的実験結果についても併せて報告する。
収 録PDFファイル(0.9MB)
TMN隕石コレクション
発表者大塚勝仁(東京流星ネット (TMN))
発表要旨 TMN隕石コレクションを紹介します。
収 録 
メインベルト小惑星のアルベド分布
発表者臼井文彦(東京大学大学院理学系研究科天文学専攻)
発表要旨  小惑星は現在までに63万個以上の存在が知られています。これらについて、近年の赤外線サーベイ衛星によって13万個のサイズ・アルベドが、また、地上望遠鏡による可視から近赤外撮像分光観測によって6万個のスペクトルタイプが得られています。これらのデータベースを組み合わることで、小惑星帯の姿に迫ることができるようになってきました。本講演では、特にメインベルト小惑星のタイプ・アルベド分布の傾向や、そこから派生して、地球近傍小惑星の起源について議論します。
収 録PDFファイル(2.4MB)
大型レーダ流星ヘッドエコー観測による小惑星起源ダストの観測
発表者阿部 新助, Kero Johan, 中村 卓司, 藤原 康徳, 渡部 潤一
発表要旨  メテオロイド(流星)が超高速で大気突入すると、高度約 70-130km において流星物質のアブレーションによりプラズマが形成さる。特 に、流星 ヘッドプラズマから反射される電波を流星ヘッドエコーという。我々 は、京都 大学生 存圏研究所・信楽MUレーダ(周波数46.5MHz, 475本クロス八木 アンテナ, 最大出力1MW, 直径103m位相配列レーダ)を用いた、流星ヘッドエ コー観測を実 施した。2009年以降、MUレーダ流星ヘッドエコ観測により、2014 年現在約14万 個のメテオロイドの惑星間軌道が高精度で求まっている。典型 的な軌道決定誤 差は、速度で0.25 km/s、近日点距離で0.003 AUと光学観測に 匹敵する精度であ る。これまで、このような高精度で膨大な数のメテオロイド 軌道が観測された ことはない。我々は、このデータベースの統計 解析から得 られた軌道分布、特 に母天体小惑星との関連について報告する。
収 録PDFファイル(X.XMB)
天体名の誤表記問題<ポスター発表>
発表者佐藤 勲
発表要旨  彗星、小惑星、衛星などの名前の表記が違っているものがある問題について、調査結果や法律的な問題点について発表する。
収 録